寒い季節の炊き合わせ

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ご覧の写真は 炊合せ
炊き合せは 預け鉢 進め鉢などと呼ばれることもございまして
暑いときは冷し煮 寒いときは温かいものとされるように思います

炊合せは お肉や旬のお魚 お野菜などが持つ特性を充分活かすよう 食材は別々に煮炊き
それらを1つの器に三種類以上盛り合わせるお料理のことで 通常ふた付きの器が使われます
炊き合わせのふたは とりまして右向うに置きます

ふたをとりました時 よい香りがするように料理人は心を込めておられます
料理人が心を込められますのはすべてのお料理においてでしょうけれど
懐石の主役料理は 煮物椀 や 炊き合せ
お店の格や料理人の技量が試され問われる煮物椀 や 炊合せは 懐石を代表するひと品です





ごらんの炊合せは 鰆蓮蒸し(さわらはすむし)
温かいひと品です
多くの蒸しものは かぶらをすりおろしましての薄味餡かけになりますけれど
本日はかぶらではなく 冬美味しいれんこん(はす)をすりおろしましての蓮(はす)餡です

かぶらをすり下ろしての餡と れんこんすり下ろしの餡の違いは
かぶらはいくらかあっさり れんこんの場合はかなりモチモチ

本日の炊合せの食材は 鰆 車海老 カニ 銀杏 ゆりね
作法にのっとり五食材
五食材は夫々別々にお味付けがされ盛りつけられています

炊合せに今回選ばれました 鰆 カニ 銀杏 ゆりね 車海老  すべて旬

一つ目の食材
鰆でございますけれど水が冷たくなりました日本海で水揚げされましたものです
鰆は魚へんに春で春のお魚とお思いかもしれません
たしかに春の鰆はほど良い脂ののりで上品な味わいですけれど
本当に美味しいのは産卵を前にしております今の時期 寒さの厳しい12月 1月
お造りを始め 粕漬け バラ寿司 鍋もの 塩焼き 広く使われます

二つ目の食材
車海老も旬です
この車海老 面白いのです
天然ものの旬は秋で 冬は泥の中で冬眠してしまうのですけれど
海底に通電して冬眠中の車海老を起こすらしいのです
東京湾ものが極上とされています

三つ目の食材
カニも旬です
11月から1月くらいまで
ずわいがには別名松葉がに 越前がに
北海道方面では ずわいがに
関東では 越前がに
関西では 松葉がに と呼ばれます

カニは傷みが早く動かなくなりました後 1時間くらいで腐敗が始まってしまいます
生のカニをお買い求めの時は必ず生きているものを
そしてずっしり重いものを選びましょう

茹でであるものは腹部が黒ずんでいないものにしましょう
冷凍を解凍なさる時は身がシャーベット状になるまで自然解凍

日本の古い歴史書古事記カニのことが書かれておりますそうで
私達がカニ味噌とよぶ所は脳みそではなく人で申しますと肝臓と膵臓の部分にあたるようです

四つ目の食材
銀杏は秋が旬でございますね

そして五つ目の食材
ゆりねの旬も秋から冬
北海道が主な産地でございますけれど京都でも栽培されています
ゆりねは日持ち致しませんので保存なさる場合は乾燥しないようおがくずの中が最適とか
冷蔵庫の中などで保存しましょう

本日の炊合せ五つの食材はすべて旬のものが選ばれています



仕上げは 三つ葉
れんこんをすり下ろしまして三つ葉を入れました温かい薄味の餡はもちもち
寒い日の ぬくもりうれしい炊合せです








ふた付きで投稿致しております
1回目は 10月末投稿のふたばかり目立つふたの大きさ
2回目はふたが小さすぎ
本日は3回目のふた付き器の投稿になります

ふたの大きさはいかがでしょう
コンデジでもカメラは私には手ごわく なかなか使いこなせません