寒い日の先付け

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お食事最初に頂きます先付け
寒い霜月の先付けは 温かい風呂吹き蕪
漢字の蕪は「かぶ」又は「かぶら」どちら読みでもいいようです


ごらんの風呂ふきかぶは
かぶの茎の根元から4.5僂僚蠅農擇蠅泙靴銅?蕨山僂鉾蕕鬚爐
上のほうをふたのように茎を残して切り離しそれを 出来る範囲でめんとり
残りの下の部分はくり抜きこちらもめんとり致しますと 六角のふた付き器の出来上がりです

それをお米の研ぎ汁で下ゆでしておきますと 最後きれいな白いお色に仕上がります
お鍋の底にお昆布を敷き上に六角のかぶの器 お水を加えくずれないようゆっくり茹でます


くり抜きましたかぶの中に 夫々別々にお味付け致しました 車海老 鮑 銀杏 里芋 菊菜を詰め
温かい柚子味噌をかけましてかぶ製ふたを添えますと お食事最初の温かい先付けとなります

今回はかぶでございますけれどもともとの風呂ふきはこの時期美味しいお大根を柔らかく茹で
香り高い柚子味噌でいただくものでみなさまのご家庭でもお作りかと思います

風呂ふきと呼ぶのはなぜでしょう
諸説あるようでございますけれどお話では多分お値段お安いお大根をいただくことで
健康でお金持ちになれるかもしれない との希いをかけまして 「不老富貴大根」
1つの仮説ですけれどほほえましいお話です

かぶは根菜です
かぶに限りましては かぶの旬は晩秋から初冬にかけて
根菜のいくつかは寒くなるにつれ美味しさを増してきます




根菜につきましてお話伺いました
根菜は文字通り土の中で育つお野菜の根の部分と思っておりましたけれど 少し違うようです

文字通り根をいただくものには
お大根 ニンジン ごぼう かぶ 等のように土なかでまっすぐ育つ「直根」

根ではなく地下の茎をいただくものは
お芋 しょうが くわいのように塊りになるもの等で タケノコ レンコンも地下茎 系

鱗茎(りんけい)と申しまして土の中は中なのですけれど茎のまわりで育つ多数の球形のもの
タマネギ ラッキョウ ゆりね エシャロットのように鱗片が重なるもので ニンニクも鱗茎 系

根菜とは 上の3つの総称のようです

本日の食材 かぶの原産地は南ヨーロッパや中近東で お葉もいただける別名 すずな
お大根はどうでしょう 原産地は不明のようですけれど すずしろとも呼ばれます
牛蒡はもともと日本にない根菜でございますのに 現在お野菜としていただくのは日本だけ
しょうがは熱帯アジアが原産地
玉ねぎやにんにくの原産地は中央アジア

わさびとゆりねは 日本原産ですけれど 根菜の原産地が日本のものは少ないようです
牛蒡でも「やま」がつく「やま牛蒡」は多分日本が原産地

れんこんも中国やオーストラリアが原産地ですけれど2000年も昔に日本に渡来
ただ広く食用となりましたのは明治以降
牛蒡に至りましては5000年以上も前の遺跡から発見されるほどの日本と関係深い根菜です

日本原産の根菜が少ないなか 渡来の根菜をお料理で日本に根付かせた先人の知恵
彼らの努力は興味深く学ぶところが多いお話です






風呂ふきを仕上げる柚子味噌にも長い歴史があるようです
300年近くもの昔 柚子の産地の愛宕山のふもとで作られました柚子味噌は
御所や多くの京都の社寺に納められたと伝えられています

お話長くなりましてすみません

大阪天王寺あたりに 天王寺かぶ と呼ばれる日本最古の 和かぶがございまして今が旬
肉質は甘く密 肉くずれしない美味しいかぶがありますことを知りました
原産地がどこでございましょうとも天王寺かぶは 今はもう なにわ伝統の根菜です


ごらんのひと品は
投稿少し遅くなりました霜月の
暖かくやわらかい先付けです
お風邪をひかれた方に良いですね