今美味しいヨコワ

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冬に向かうこの時期日本海を大挙東上するヨコワ 凍てつく日本海沖での水揚げです
ヨコワはクロマグロの幼名で初冬の今が旬

関西では ヨコワ  関東では メジ クロメジ

太平洋で揚がるクロマグロや輸入のクロマグロは 鮮度保存のため殆どが冷凍されてしまい
生でいただくことは殆ど出来ない状態です
ヨコワは冷凍の必要がございませんのでヨコワは「生でいただくクロマグロ」といえます
ファンが多いヨコワです

大きさは50僂ら90僂らい
小さいヨコワは形がくずれてしまうことも多いのでタタキにすると香ばしくいただけます

クロマグロのようなリッチな脂ののりはございませんけれど
ヨコワにはあっさりとして とろりとした上品な脂 しっとりとした脂ののりがあります

三枚におろし 中落ちと血合いを丁寧にとり薄塩 暫らく置きますと身に深みが増します
それを金串打ち 強火の遠火で皮目を約2.3 白くなるくらいまで焼きます
金串は手元狭く 向う側が広がるように刺します

用意しておきます氷水にとり布で水気を拭きお好みの厚さに切ります
さっぱりとしているのは背のほう 脂でコクのあるのはお腹の部分です

ごらんのように ヨコワのタタキにはニンニクチップが添えられておりますけれど
ヨコワには カツオのような匂いやクセはございませんのでニンニクは好きずき
たっぷりの レッドオニオン 貝割れ 茗荷 人参 分葱 紅葉卸し等 ポン酢でいただきます
カツオもいいけれどヨコワは美味しいね と話されお声が多くきかれます

ヨコワの名前は その体側についております幼魚班からのようで
細く白い横線が横の輪のように見えますことから 横輪 ヨコワ
幼魚班は成長につれ消えていきます





本日のひと品は向付けです
向付けは 一汁三菜、二汁五菜、三汁十一菜のようなお膳の向う側に置かれるひと品で
お膳の数で申しますと 二の膳 三の膳 五の膳 になります

室町幕府の将軍足利義満は 当時すでに増え過ぎておりましたお料理の種類を整理定型化され
そしてそれらの配列をも決め お膳向う側に置くひと品を向付けと命名されます
よくお聞き致しますと そのころの向付けは酢のものまでをも含む広範囲なものから選ばれ
現在のように 向付けはお造りが主 とはかなり趣が違っていたようです

彼はさらにお箸をつける順序をも定めてしまわれます
海のもの 山のもの それから野のもの の順でいただく大まかな決まりごとまでをも作りあげ
それは殆ど変わらず今に至っています





本日のヨコワのたたきは向付け
向付けは殆どの場合 先付けに始まりますお食事の三品目に供されるひと品で
季節を先どりする旬の それもはしりの旬の食材をお使いです



珍しく器がカジュアル
カジュアルでも重量感があり器の芯まで冷えています
クロマグロを生でいただくと同じ ヨコワ
タタキです