禁厭の符

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ご覧の写真は先日参りました滋賀県のスキー場で求めました近江の地酒180cc で
大津絵が描かれます多治見焼きの とっくりと おちょこの器です

最初 箱に描かれております絵はどこかで見たことがあると思いました
やはりそうでした

江戸初期 約340年前大津で生まれました大津絵は日本を代表する民画です
昔の交通の要所 東海道五十三次の大津
行き交う旅人を護るため仏画を描き売り始めたのが大津絵の始まりといわれます

その為 描かれる多くは 阿弥陀仏不動明王等の仏様
詳しいことは省きますけれど大津絵は次第に種々な画題で描かれるようになります
それがかえって大津絵は十種に絞られることになります

その大津絵十種は古来より禁厭の符 禁厭は災難を治める おまじない
いわゆる護符です

私が求めましてご覧頂いておりますのは大津絵十種のうちの1種  禁厭符「藤娘」です


大津絵十種は
壽老人
雷公の太鼓釣り
鷹匠
藤娘
座頭
鬼の寒念仏
瓢箪鯰
槍持奴
釣鐘弁慶
矢の根




その大津絵禁厭の符を描くに選ばれました とっくり
うかつにも私は滋賀県が酒どころとは考えておりませんでした
滋賀県の地酒につきまして 滋賀県酒造組合に色々お尋ね致しました
その一部です

ご説明頂きました滋賀県のお水 考えてみますとお酒造りに必要な滋賀のお水は名水
鈴鹿山脈の山々から染み出る自然豊かな地下水 *ふく水 です

ふく水は ナトリウム カルシューム マグネシューム等のミネラル分を適度に含み
お酒特有のまろやかな口あたりを生み出す 仕込み水

そして豊かな風土に育てられる近江のお米
加えまして 蔵人を率いる 杜氏は匠
豊潤なお酒が生まれないわけがないのです

お酒造りのお米ですけれど酒造に適したお米は 大粒で中心部に「心白」と呼ぶ
白く見える柔らかい組織のある 蛋白質 灰分 脂肪分が少ないお米がいいようです

滋賀県は 玉栄 滋賀酒56号 ひだほまれ ひだみのり 雄町等 酒造好適米の産地です
酒造好適米は正式名 通常さかまい(酒米) 麹米と呼ばれる日本酒を醸造する原料です

今の時期は 寒造りです
経験豊かな杜氏が1年で最も寒い11月から2月までの間を選びお酒を仕込み
新酒を順に出荷します



ご覧のとっくりの中は清酒神開
蔵元が次のように書いておられます
抜粋です

約240年前 山村神社のご神託で井戸を掘りますと良水が湧き出て大変美味しい清酒が醸され
ご神託にあやかり酒名を 神開 とし現在に至ります

とっくりに描かれる大津絵は
古くから描かれる仏画で途中 教訓的な 世俗画に変化します
後略




とっくりの大津絵は 阿弥陀仏 不動明王始め 小児の夜泣き止め希いまで 色々
私がかわいいと思いまして求めましたとっくりは 大津絵四代目松山さん描かれる藤娘です

同時に こちらも松山さんが書かれたのは伊賀がふるさとの 芭蕉 の句


くたぶれ亭 宿
かるこころ 屋
藤の 花




ご覧の写真
思いがけないところで出会いました日本を代表する民画禁厭符
持てば しっとりやさしい感触の とっくり おちょこ です